名作漫画の1つとして多くの人に愛される鋼の錬金術師ですが、実はまだ作品に触れたことがないという人も多いと思います。
そんな人でも気軽に作品に触れられる、興味を持てるように、ここでは鋼の錬金術師に関する基本的な情報をまとめました。
鋼の錬金術師は、漫画家「荒川弘」氏の初連載漫画作品です。
スクウェア・エニックスが発行している「月刊少年ガンガン」の2001年8月号に連載が開始されました。
その後、2010年7月号まで連載は続き、全108話+番外編が掲載されました。
ファンの人からは「ハガレン」という愛称で親しまれています。
連載終了後も人気が衰えることはなく、2017年6月から「ガンガンONLINE」にてリバイバル連載がスタートしています。
鋼の錬金術師が絶大な支持を得た理由の1つとして「作り込まれた世界観」が挙げられます。
物語は「錬金術」が存在する世界が舞台で、19世紀頃のヨーロッパを題材にしています。
「錬金術」「等価交換」といった中二病を擽る格好良いワードが出てくる一方、ストーリーはかなり重厚で「ダークファンタジー」に分類しているメディアも珍しくありません。
ですが、作品の雰囲気が暗くならないように考えられた日常パートやイベント、ワクワクするバトルシーン等、王道少年漫画要素が散りばめられているといった点は、高い評価を得ています。
連載開始当初の注目度の高さを維持したまま、ドンドンと新規ファンを獲得し続けたことにより、鋼の錬金術師は月刊少年ガンガンの「看板作品」として認知されるようになりました。
低迷を続けていた月刊少年ガンガンの発行部数や売上の向上に多大な貢献をしたことでも知られていて、最終回が掲載された2010年7月号では、完売を防ぐために通常よりも発行部数を20%増やすという対応が行われました。しかし、編集部の予想を大きく上回り、発売開始直後に全国で売り切れるという事態となっています。
その結果、同年の9月号で再び鋼の錬金術師の最終回が掲載されるという異例の処置が取られたことは、ニュースを始めとした様々なメディアで取り上げられました。
2021年7月現在で総発行部数が「8000万部」と、月刊少年ガンガンだけではなく、スクウェア・エニックスが発行するコミックスの中で最高発行部数を記録しています。
鋼の錬金術師の連載終了後に、少年月刊ガンガンの売上が大きく落ちたことから、どれだけ人気があったのかをうかがい知ることが出来ます。
鋼の錬金術師は、アニメシリーズ2作・アニメ映画2作、さらに実写映画が3作と複数回映像化が行われています。
アニメシリーズ1作目「鋼の錬金術師(2003年)」では、原作漫画が終了していなかったことからアニメオリジナルの結末を迎えています。
一方、アニメシリーズ2作目「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009年)」は、原作漫画のストックが充分にあったことや原作漫画の完結が間近に控えていたことから、原作のストーリーに準拠した内容となりました。
また、各アニメシリーズの放送後には、アニメ映画化も行われていて、それぞれのシリーズのストーリーに合わせた齟齬が生じることのない内容となっています。
さらに、難しいと言われていた実写映画化も行われています。
2017年12月に公開された第1作目は、作品全体の完成度よりもキャスティングが賛否を呼ぶことになりました。
第1作目の公開から5年後の2022年5月・同年6月には2部作となる「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」が公開されました。
前作の評判から続編はないと考えるファンもいる中での、2部作の完結編の発表は大きな話題を集めました。
前作よりも映像作品としてのクオリティが高いことやしっかりと作り込まれたストーリー構成等、様々な理由から前作を上回る高い評価を得ることに成功しました。